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ネトウヨはあと3年でオワコン化してネトサヨになる

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フランスではあの非情なテロによって大きな悲しみが訪れている。

あまりの惨事に平和ボケした日本人の僕からすると、ゲームか映画の見慣れた1シーンでしかない。

それほどありえない現象なのだ。

パルプフィクションブラックホーク・ダウン地獄の黙示録とはわけが違う。

 

血溜まりのパリから少し離れたかのヴェルサイユ宮殿で、オランド大統領は「戦争」という言葉を放った。

起立する政治家達、その口から発するのはラ・マルセイエーズ

 

これからフランスに起こることは何か?

それを暗示するような景色がそこにはあった。

ナショナリズムの爆弾が炸裂した。

 

これはフランスの話。

じゃあ、日本はというと・・・ネトウヨ全盛期!!!

というかもはやネット内の暗い陰湿なカルチャーから、日の当たる表舞台へと解き放たれたような気がする。

テレビをつければ如何に日本がすごいかというのを外国人に言わせたり、日本の技術が如何に素晴らしいかを外国人に言わせるような番組だらけである。

 

じゃあなぜそんなネトサヨがあと3年でオワコン化してネトサヨになるかと思うかというと・・・というところを書いてみよう。

 

 

 

そもそもネトウヨとは?

ネトウヨが何たるかはもはや語る意味は無いくらい浸透しているだろう。

2ちゃんねるなどの掲示板やSNS上で人種差別的な言動や特定団体等へ攻撃する人達である。

 

かくいう僕もネトウヨっぽい時があった。

ネトウヨの功の部分を上げるとすれば、マスコミ報道への疑問という概念を国民に植えつけた点であると思う。

たしかにその部分こそネトウヨであり、誤った情報が流布し、謂れ無き差別がまかり通った元凶ではある。

しかし日本の極端なマスコミ信奉を瓦解させ(世界新聞部数トップ5を見てみよう)、単純な鵜呑み丸呑み国民を絶対数減らしたという事実がある(鳩山兄のおかげでもある)。

 

僕もマスコミの異常な体質というのには疑問があったし、鳩山民主党が選挙で大勝ちした時には新婚さんいらっしゃいばりに椅子からひっくり返りそうになった。

それにまとめブログなんかの玉石混交な情報の中で色々面白い発見もあったし、勉強になることも多々あった。

 

そして時代はまさにネトウヨに風が吹きまくっている。

反日的なマスコミは大いに叩かれ、朝日新聞は部数を減らし、東海なんて書いちゃった企業は不買運動され、安倍政権は安泰である。

 

そんなネトウヨオワコン化するというのもここにある

ネトウヨとはそもそもネット掲示板から産声をあげたことでも分かる通り、リア充梁山泊である。

リア充とは現実生活がぱっとしない人々の総称である。

ネトウヨとはそんな非リア充生活の鬱憤の捌け口だったわけだ。

 

歴史上、そんな人々は一定の階層をなしてきた。

かのアドルフ・ヒトラーもそうである。彼は芸術家の夢破れ親の遺産を食いつぶしながらプラプラしている非リア充の象徴的な若者だった。

このような人間は誇大妄想にとらわれやすい。

現実生活ではぱっとしない自分と向き合うのが嫌だからと、全く関係のないものに強引に同化しようとする。

それが産業革命後の国民国家から誕生した「国」「民族」「イデオロギー」という『大きなもの』だ。

一見、巨大で力強いものだが、よくよく考えれば誰もが無条件で参加できる代物だ。

ネトウヨはそこに身を委ね、団結し、誇大妄想を現実へ向かわせるためにせっせと働き始める。

 

ヒトラー第一次世界大戦敗戦という究極の挫折と瓦礫の山の中から、民族主義を掲げ、ユダヤ人を敵に祭り上げ、第三帝国の総統となった。

謂わば当時のドイツ人は国民総非リア充だったわけだ。

 

 

日本のネトウヨの隆盛もこれに似ている。

バブル崩壊後の低迷し続ける日本、その中でも最も煽りを受けたのは若者だ。

リストラ、派遣問題、就職氷河期、年金不安・・・

経済大国といわれたかつての日本はもうそこにはなく、あるのは絶望的な未来だけだった。

 

この社会不満ともいうべきガスを吸い取ったのはインターネットだった。

かつてオタクの代名詞だったネットは、インフラ整備を終えると爆発的に普及し、あっという間に無くてはならないモノにまでなった。

 

そこで非リア充はたくさんの仲間と後に続く情弱者を目にする。

普通に考えれば純粋なリア充なんて国民の2割もいないだろう。

リア充サイレントマジョリティーを浮き出していく。

ここからリア充への憂さ晴らしが、単なる上げ足取りから攻撃へと変わっていく。

ちょうどヒトラーが時流に乗って勢いづいていくように。

 

でもここまでは別に良いと思う。

憂さ晴らしまで悪とされてしまえば、それこそ革命騒ぎになってしまう。

上司の悪口がネットの普及でやりやすくなり、共感しやすくなっただけだ。

 

だがネトウヨは数を増やすとヘイト集団に成り下がってしまった。

そもそもリア充攻撃の一環であったマスコミ攻撃。テレビや新聞といったまさに日の当たる場所であるマスコミへの攻撃は当然起こりうる。

マスコミ攻撃がネトウヨの運動となった。

マスコミにはたしかに落ち度は多々あった。朝日新聞慰安婦報道などは公平な目で見てもおかしい部分はある。

そこで暴かれることが真実となり、朝日新聞を屈服させたことは大いなる成功体験となった。

ヒトラーがプロパガンダを用いて、ユダヤ人排斥を押し進め、生存権の獲得が唯一の解決策として国民を納得させたように、敵愾心と危機感を煽ることが運動のガソリンとなっていった。

 

ハンナ・アーレントはこういった運動(ファシストスターリン主義等)を権力獲得への手段と用いると、その運動をやめることができなくなると指摘している。

運動で人を集めていると、いざ運動をやめてしまえば団結力が無くなってしまうからだ。政権獲得前の民主党のように、自民党攻撃運動を終えた途端に瓦解してしまう脆い繋がりでしかない。

ネトウヨは敵愾心と危機感を煽ることでマスコミを打ち負かし、仲間を増やしていった。

 

ここがネトウヨオワコン化の原因でもある。

 

 

ネトウヨオワコン化の原因 

冒頭でも述べた通り、今やネトウヨが世論を作っている。

韓国や中国への報道や政権の対応でも明らかだ。

なんせマスコミは下手なことをしたら炎上させられるし、CM企業からも文句を言われてしまう。

政権は世論について歩けば安泰だ。

 

 

ネトウヨは勝利したのか?

否、ネトウヨは終局を迎えた

 

 

オヤジたちがネトウヨ化されてきたからだ

一番ネットから遠く、情弱の象徴であったオヤジたちが今や見事なネトウヨである。

冒頭で述べた日本礼讃番組はオヤジたちに向けた甘っちょろいナショナリズム興奮剤だ。

 

なぜオヤジたちがネトウヨになったのか?

それは自信喪失だと思う。

日本礼讃番組や書籍や報道は、一応に「古き良き時代」の屍を照らしているだけだからだ。

歴史や文化や技術といった大きなものばかりが取り上げられている。

特に技術なんか高度経済成長期の象徴的なカテゴリだ。

そしてやたら外国人に褒めさせる。やたら外国と比べたがる。やたら安心を求めているように思える。

大東亜戦争肯定論や嫌韓嫌中なんかも全部ひっくるめて、無理やりかつての誇りを使って奮い立たせようとしているように見える。

 

ここにオヤジのネトウヨ化の要因が見えてくると思う。

オヤジたちが嫌いな韓国や中国。

安心を求めるオヤジたち。

要するに『韓国や中国に追いつかれそうだという恐怖感』があるだけなのだ。

如何に気持ちの良い統計や報道をかき集めても、日本がかつてのような国際的発言力や経済力が無くなっているという事実は打ち消すことは出来ない。

かつて見下していた韓国や中国の勢いにブルブル震えているのだ。

得意分野であったテレビや半導体や造船業は今や中韓にボロカスに負けている。

かのSONY東芝がテレビから撤退したというニュースを見て、彼らはどう思ったであろう?

 

オヤジたちがネトウヨ化し、異様に中韓に牙をむくのは「自信喪失」が多くを占めていると思えてしまう。

 

 

 

そしてそしてここにネトウヨオワコンがある。

自信喪失したオヤジたちがいきなり飛び込んできた時、ネトウヨたちはどう思うか?

それはアスカばりに「気持ち悪い」のただ一言しかあるまい。

なぜなら非リア充リア充が嫌いだが、そのどっちともがオヤジたちが嫌いである。

 

若者はオヤジが嫌いなのだ

これは言うまでもなく全世界共通だろう。

偉そうな上司や教師、親だってみんなオヤジやオバハンだ。

そんな人達が大手を振ってネトウヨ化していくとどうなるか。

それはネトウヨ=ダサい」である。

 

ネトウヨはもうオヤジたちがやるもんであって古くてオワコン

 

そう、ネトウヨは死んだ。オヤジたちによって。

ネトウヨは今、ネトサヨになっている。

まとめブログなんか見ていると、数年前ではありえなかった「ジャップ」や「クソみたいな国」なんて表現が増えてきた。

ネトウヨのターゲットだった中韓は、今や自らの国家や社会へと向いている。

若者の生きづらさ、老人優遇政策、公務員の特権階級化・・・

ネットの主敵は常にリア充だ。

そのリア充攻撃のネトウヨと同じような構成員は、今や日本の支配体制に向かっているのだ。

 

巡り巡って左翼時代がやってきたのだ。

ヒトラーは死に、それが連合赤軍に変わっただけになった

民族主義イデオロギーに変わっただけである。どれも大きなハリボテでしか無いが。

情弱を罵り、無根拠なエリート(情強)意識、要するに右翼も左翼も全く関係ない。

すべてはただのガス抜きなのだ

 

 

 

まとめ

そんなこんなで今度はネトサヨ時代に突入すると思う。

でも今度はネトウヨ運動のように世を斡旋するほどのパワーになるだろうか?

多分ならない。

もうオワコンなのだ。

日本が。

 

とりあえずイデオロギーなんかどうでもよいので、若者支援を増やして欲しい。

自分が若者だからというわけではない。

目先に超高齢化社会が控えているのに、選挙にたくさん来てくれるからという理由だけで老人優遇政策を推し進めるのは、それこそ国家反逆罪じゃないかと言いたくなる。

 

僕の周りでも必死に生きているのにどうもうまくいかない若者が大勢いる。

今の現状では子供なんて欲しくない、そもそも結婚なんてしたくないと言うのも、リスク管理からいって正しいと思えるのが無理も無い。

 

日本の若者が今回のパリのテロのようなことをするとは考えにくいが、テロよりももっと悲惨な『無関心』がこれ以上広がるのはとても悲しい。