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日本は『マイナス革命』を起こさないと野垂れ死ぬ

最近社会学文化人類学なんかの本を読んでいたのだが、どうもしっくり来ない。

社会学の本は「あるあるネタ」を散りばめて構成されたものが読んでいて面白いのだが、少し専門的になるとどうしてもある越えられない壁にぶち当たる。

 

そう、マルクスだ。

マルクスといえば共産主義だとかソ連だとかゲバ棒だとか、なにやら物騒な話に聞こえてしまう・・・のは日本のアメリカ型マルクスアレルギーというやつだ。

マルクスの偉大さというのは、共産主義やそのイデオロギーを作り上げる前の段階、すなわち人類の「考え方」の革命を起こしたという大事に尽きる。

 

それはある物事をそのまま科学的に解析してしまうということだ。

唯物論的な考え方と科学をマッチングさせたこの思考方法は、人類の歴史を変えてしまうほどの大革命だったわけだ。

社会学もこの系譜に連なっている。今まで誰も捉えなかったことまで、科学的に解析し、それを構造化して捉えることで何でもかんでも説明してしまおうという考え方だ。

まあ、勉強したてなのであまり理解できていないのだが、一つ面白い事を学んだので、そこからヘーゲルばりの自信過剰さで飛躍して考えだした『マイナス革命』を上奏してみよう!

 

 

なぜマルクスが生まれたドイツで社会主義革命が起きなかったのか?

 

マルクスはドイツ人であり、マルクス主義の本場はドイツだったわけだ。だが革命がドイツになかったわけじゃないが(歴史のいたずらもあったために)マルクス的な社会・共産主義国家は生まれなかった。それどころかまさかの我等が総統のファシズム国家が生まれたのは何たる皮肉。

結局、マルクス主義を看板に革命をして実際に政権を握ったのは、欧州のド田舎ロシアだった。

 

ではなぜドイツはマルクスで染まらなかったのか?

それは史的唯物論なるマルクスの思想があったからなのだ。

史的唯物論を簡単に述べると、

人類の歴史は経済とともに発展し、奴隷時代や封建時代、絶対王政を経て資本主義までやってきた。これは経済や科学や技術の発展とともに必然的に起きた流れである。これらがある程度のレベルまで達すると、革命が起き新しい時代に移り変わる。まあこんな感じだ。

 

ドイツではこの史的唯物論を信じて謂わば「待った」のだ。

ドイツのマルクス主義者達は、この歴史の流れは必然だから待っておけば勝手に共産主義に辿り着くと考えた。

なので彼らは第一次世界大戦参戦まで支持したのだ。これは我等が日本共産党がやったらびっくりするんじゃないだろうか?

なぜ彼らは戦争に賛成したか?それは戦争は政治の延長であり、資本主義の矛盾の暴露でもあるからだ。だから戦争でめちゃくちゃになればなるほど、共産主義に近づくのである。

まあ結果は違ったのだが、こういった日和見主義のせいもあってドイツでは真の革命は起きなかったのだ。

 

ここまで読むとわかるだろうが、ソ連マルクス主義者達が無理矢理時代を先に推し進めようとした結果生まれたのだった。だからこそ、革命後のあの死体の山が生まれたとも言えるけど。

 

 

マイナス革命

 

話がかなりずれたが、要するに人類は経済や科学や技術が進歩することによって今に至ったわけだ。そこには時代の進化に取り残されたものは、革命によって転覆されるという必然があった。

そしてマルクスは資本主義が崩壊して最後には共産主義になると予言した。

しかしそれは今のところ大外れである。ソ連は崩壊し、中国は弱肉強食の資本主義国家となり、キューバはアメリカと関係修復を目指している。北朝鮮・・・

まあ彼らは「失敗した」だけであり、そもそも資本主義すら成熟していなかったのだから、当たり前だが。

 

日本は今、経済どころか人口すらマイナスになっている。

戦争でも疫病でもなく、勝手に減ってしまったのだ。

これは資本主義の行き着いた先なのだろうか?

そうだとしたら、日本はマイナス方向へ進化したと言えないだろうか

退化ではなく進化だ。資本主義の先に至った時に、マイナスに転じたわけだから。

※先進国はどこの国も高齢少子化に悩まされており、欧米では移民などの資本主義的根源を持つ問題が爆発している。すべて資本主義が根底にある。

 

日本はマイナスへ進化した。そして若者に大きな不満が渦巻いている。

日本の若者はこれから苦難の道しか見えていない。

まず、高齢者の医療介護費だ。そして彼らが残した経済成長期型インフラの維持費用、さらに彼らが生んだシルバーデモクラシーなる老人優遇政策しかまかり通らない政治

 

ここに新たな階級が生まれた。

実は階級闘争こそ、史的唯物論の原動力だ。市民が王をギロチンにかけ、労働者がブルジョアを血祭りにあげたのもこの階級闘争であり、革命のそれである。日本はマイナス成長という時代の移り変わりによって、老人と若者という階級を産んだ。

マイナス成長が20年以上も続き、老人と若者の格差は開く一方だ。ブルジョアプロレタリアートの格差ももちろんあるが、制度的な面を見ても、日本の若者には暗い未来しか待っていない。

 

だからこそ、マイナス革命が起きる!かもしれないのだ。

マイナス成長という時代の成長が、革命を起こすのだ。

革命はレーニンのような武力革命・・・にはならないだろう。でもその可能性はある。今の政治をそのまま続ければの話だが。

 

 

じゃあ、クリーンでエコで安全な革命に移すにはどうするか

それはスモール化だ。さきほど高度経済成長型のインフラと述べたが、それに尽きる。高度経済成長型のシステムそのものを破壊する、これこそ穏健な革命だ。

経済レベルを実際レベルまで引き落とす、これが穏健なマイナス革命だと思う

 

まずバカみたいな労働環境を破壊する。

企業戦士なんて死語なのだ。経済レベルを維持しようと、精神論で昭和的労働条件を堅持すればするほど、この国は破滅していく。明るい未来などないのに、これ以上色褪せた栄光の勤勉さを維持するのは不可能だ。自殺者だらけなのをいくら隠しても無駄だと思う。そして今の日本でも強い産業や得意分野の重点化、一次産業の効率化など、経済規模の単純な退化でなく、絞りつつ純化させていく本物の経済を作る。

 

経済レベルが下がるなら生活レベルも落とさないといけない

24時間営業のコンビニなんて労力と資源の無駄遣いだ。綺麗な使われない道路なんていらないし、いつも冷えた自動販売機のジュースや明るい駅やパチンコ屋なんていらない。

 

そしてスモールタウンを建設し、無駄なコストを省く

平家の落人じゃあるまいし、辺境の農家のためだけに政治家が作った無駄な道路なんて捨てる。

新しい都市化だ。現状の都市部に人口を集める。空き家もたくさんあるし、とにかく行政コストが減るので役所の駒だって減らせる。

これは実際、医療介護分野ですでに言われている。そもそも少ない医療従事者を山の中まで送迎に行かせたりするくらいなら、駅前にでっかいビルでも作って住まわせたら、そこだけでことが済む。

それでも故郷が、風景が、とかいうのならそこに住めば良い。だが行政サービスは全て実費だ。

 

マイナス革命とは、本当のレベルを見極めてそこまで落としつつ、そこから落ちないように対策し続ける政治形態を作ることだ

今の中韓批判なんて結局のところ、落ちている自分たちを認めたくない幼稚な奴等の行いでしかない。

日本は確実にマイナス方向に舵を切っている。これから昔の日本のように成長していくかつての後進国を眺めつつ、日本はゆるやかに追い抜かれていくのだ。

そこに無理矢理追いつこうとすれば、経済成長期の矛盾が爆発し、本当に危険な革命や戦争、テロなどが降りかかってくるかもしれない。

 

グローバル経済下でも生きながらえることができる国造りの前に、マイナス革命を起こし、妙なプライドを捨て去ること、それがこれからの日本の礎になる。