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田舎の若者が消えるという現象を田舎にUターンした若者が検証

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中途半端な都会で幾年か過ごした後、「故郷よ!私は帰ってきた!!」
理由はまた後に記すこととして、久方ぶりに我が故郷で生活してみて思った。
限界集落じゃん♡』
国道から少し奥まったところに広がるのは美しい棚田「跡」、素朴な住居「跡」、人のいた「形跡」・・・
 
一面に広がる草むらとしか表現しようのない半樹海、その中に埋もれるようにして朽ち果てた家らしき物体がラピュタ感を轟かせている。
世界最先端を行く高齢化社会JAPANの中でも屈指の限界集落、そうここは人類史の先端を突き進むV2ロケットなのだ。
 
そんな最先端限界市では、当然の如く若者の姿をほぼ見ない。ほんとに酷いところだと、小学生が歩いているだけで今にも拝みそうなおばあちゃんがいるほどだ(本気)
 
田舎過ぎて愛しさと切なさと肥料臭さに耐えかねて・・・要するに暇なのでブログを始めたということで、まずは身の回り=世界最先端の限界集落の話をしてみようと思う。
 
 
 

限界集落の若者の運命

僕の小学校の同級生20人中、地元で今も暮らしているのは6人ほど。

ちなみに高校の同級生だとそれこそほぼいないんじゃないかと思う。

まずは人類史的に言うと遅れている大都会の皆様に、田舎の若者の宿命をわかっていただこう。

 

①高校卒業すると進学で七割が県外に消える

なぜなら学校がない。大学はもちろん専門学校すらない。

進学=県外が当たり前。

過疎地の若者は一八歳を過ぎると進学のために都会への集団疎開を余儀なくされる。

まあこれは日本のほとんどの地域に当てはまるといえる。

 

  

②都会に触れて現実を知る

夢の都会に降り立った瞬間から、僕たちは今までブラウン管の中でしか知らなかった世界が平然と鎮座している都会という名の衝撃=カルチャーショックを鳩尾に食らう。

 

「これがファミリーマートか」「コンビニが本当に二四時間開いている」「電車が長い」「時刻表がエニグマ」「自動改札はトラウマ」「牛丼は激ウマ」「松屋で食券トラップにひっかかる」「若い人が多い」「車線変更できずに堂々巡り」「クラクションってそういう使い方するの?」「やたら歩く」「やたら並ぶ」「やたらスタバがある」「・・・グランデ?」「Tシャツが8000円?」「店員とテレサごっこ」「駐車料金払うとか絶対嫌だ」「水が臭い」「チャンネルがありすぎて覚えられない」「家賃がボッタクリ」「バーベキュー出来ない」「トンビがいない」「一人の部屋は何だか寒い」etc

 

という荒波をくぐり抜けての最初の夏休みにだいたい髪を染めて帰ってくる。

 

 

③就職活動で地元の求人を見てふるえる 

選択肢の無さと給料の格差を知って今一度田舎を再確認できる。

そして頭の中でこのような公式が浮かんでくる。

 

「都会の給料」-「都会の家賃」×「都会の生活満足度-親孝行度」=X
「田舎の給料」+「都会の家賃」×「田舎の生活満足度+親孝行度」=Y
 
まず田舎の給料の少なさを実家暮らしポイントで賄えるか、その後は果たして田舎に帰って楽しく暮らせるか?などと計算し始め、だけどお父ちゃんもお母ちゃんも帰って欲しそうだったしなあ・・・ああ~どうしよう!となる。
割りと親の顔がまず浮かぶ人は悩むことが多い。
XとYの間に入るのは果たして・・・

 

 

 

④都会就職=ほぼ未帰還決定

都会へ進学した場合、やはり9割は都会で就職する。

現代社会で郷土愛やノスタルジーは求人票には勝てない。

 

なぜなら田舎は仕事を選べない

ここで大事なのは「仕事が無いわけではない」ということ。進撃の団塊の世代がボツボツと退職し始め、田舎は急激な人手不足に陥っている。

じゃあ、その仕事って?

それは土建業と介護、ただこれだけである。一次産業すら衰退している秘境では、その他の産業が生育する土壌も人的資源もあるはずはない。

そこにあるのは無限に続く道路工事と作ったばかりの道路の修復、そして無限に湧いてくるご老人のお世話なのだ。

なので普通の大学なんかに行ったもんなら、それこそ市役所様(田舎ではヒルズ族)にシライで体をねじ込むくらいしか活路はない。

そんなことで、結局は都会で就職する人が9割となってしまう。求人率やらかざして「若いもんは選り好みしすぎじゃ!」とおほざきになりあそばれるいとをかし老害様には到底ご理解いただけない現状がここにあるのだ。

 

都会で就職→都会で結婚→都会でマンションor家を購入 
よってこの流れが必然として起こる。
この流れは決定的な未帰還パターン。まずサンドラ・ブロックでも生還不可能。

 

 

 

過疎地の消えゆく若者の正体

進学で田舎を出る
都会(現実)を知る 
就職活動でさらに現実を知る 
↓ 
都会で所帯を持つ

 

 
このパターンは団塊の世代の「ゴールデンエッグストロー現象」から一切変わっていない。進学率が上がろうが下がろうが、資本主義社会においてこれは必然のようだ。過疎化を憂うあまり若者に逆ギレする老害スターリンに統治してもらおう。

 

僕の友人もたいていはこのパターンにハマってしまい、帰還は不可能な状況。田舎と都会の心理的距離はイスカンダルよりもはるかに遠いのだ。
 
 
 

まとめ

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ここには真綿で首を絞められているのに身動き一つせずただじっと朽ちていく自分を鏡で見ながら死んでいくという究極の放置プレーだけがある。
 
政治家は「田舎だから」と談合的で消極的で非生産的ながらも現状維持を目標に任期を全うし、市井の人々は「田舎だから」とただ現状維持くらいしかすることもなく、若者は「田舎だから」と故郷と両親を捨てて都会に出て行く。
 
う~んこりゃ項羽も引きこもるくらいの四面楚歌だがや。
といっても僕は政府批判や革命運動なんかしない。
なぜならもうどうしようもないラインをとっくに超えているからだ。
絶対国防圏を越えて四国くらいに上陸されてもまだ何も手を打たなかった結果だからだ。
こんな状態で「若者~」とか期待されても、もう僕達に残されている時間はシャアの謀略に気づいたガルマくらいしかないのだ。
 
そんなガルマ的(刹那的)なブログにしていこうかな。
暇だし。
小遣い欲しいし。